情シス代行と社内採用の比較|採用・派遣・顧問の選び方

情シス担当を社内に置くか、外部に頼むか。結論から言うと、社員100名以下の会社では、まず情シス代行(顧問)で土台を整え、業務量が見えてから採用を検討する順番が現実的です。ただし、社内に常駐して手を動かす人が毎日必要な会社では、採用や派遣が合います。この記事では、採用・派遣・代行の3つを、費用の考え方、知識の残り方、立ち上がりの速さで比較し、規模別の向き不向きと併用の考え方を整理します。

3つの選択肢の違い

社内採用

社員として情シス担当を雇う形です。社内にいて、現場の事情を一番よく理解できます。一方、一人体制になりやすく、その人が辞めると知識が社内に残らない問題があります。ITに詳しくない経営者が、応募者のスキルを見極めるのも難しい点です。

派遣

派遣会社から、IT担当者を一定期間受け入れる形です。常駐して手を動かしてもらえるので、日々のヘルプデスクや機器のセットアップが多い会社に合います。ただし、指示を出す側に「何をしてほしいか」を整理できる人が必要です。方針を決める役割は、派遣では担いにくい面があります。

情シス代行(顧問)

外部の専門家が、定例ミーティングとチャットで情シスの役割を担う形です。常駐はせず、方針決め、台帳やルールの整備、ベンダーとのやり取り、相談対応が中心です。社員を雇うより小さく始められ、文書を残す前提で動くため、担当が変わっても引き継げます。一方、毎日の現場作業や、駆けつけでの対応には向きません。

比較表

観点社内採用派遣情シス代行(顧問)
費用の水準高い(人件費と採用費)中〜高(稼働時間に比例)低〜中(範囲に応じて)
立ち上がりの速さ遅い(採用に時間がかかる)比較的速い速い
現場作業・常駐できるできる基本はできない
方針決め・判断本人の力量次第担いにくい得意
知識の残り方本人に依存しやすい契約終了で失われやすい文書に残す前提
辞めたときの影響大きい中小さい(文書と台帳が残る)
ベンダーとの関係自社の立場自社の立場自社の立場(第三者)

費用は、金額ではなく「何に払うか」で見ると判断しやすくなります。採用は人そのものに、派遣は稼働時間に、代行は判断と仕組みづくりに払う、という違いです。

規模別の向き不向き

社員30名以下

ITの仕事は毎日あるわけではなく、月に数回まとまって発生する会社が多い規模です。専任を一人雇うと手が空く時間が多くなり、本人のやりがいの面でも定着しにくくなります。情シス代行で台帳とルールを整え、日々の小さな困りごとはチャットで相談する形が合います。

社員30〜100名

入退社やPCの入れ替えが月に何件も発生し、現場作業の量が増えてきます。情シス代行で方針と仕組みを担い、現場作業は総務の方や派遣で補う組み合わせが現実的です。将来の採用を見据えて、この段階で台帳や手順を文書化しておくと、採用後の立ち上がりが速くなります。

社員100名を超える

専任の担当者を社内に置く段階です。ただし、一人で全部を抱える「ひとり情シス」にしないことが大切です。採用した担当者の相談相手として、あるいは経営層への説明を支える役割として、外部の顧問を併用する形が機能します。

併用の考え方

3つは「どれか1つを選ぶ」ものではありません。よくある組み合わせは次の通りです。

  • 代行と総務の兼務:方針と仕組みは代行が担い、PCの受け取りや配布など現場の手は総務が担う
  • 代行と派遣:PC入れ替えなど作業が集中する時期だけ派遣を入れ、指示は代行が整理する
  • 採用と代行:採用した担当者の相談相手、不在時のバックアップ、採用までのつなぎとして代行を使う

特に「採用までのつなぎ」は見落とされがちです。情シス担当の採用には時間がかかります。その間に台帳と手順を代行が整えておけば、入社した担当者は、整った状態から仕事を始められます。採用後も、担当者が一人で判断を抱え込まないように、相談相手として代行を残す選択もあります。

逆に、採用した担当者が退職したときの備えとしても、代行は機能します。文書と台帳が外部にも共有されていれば、「その人しか知らない」状態を避けられます。

選ぶときに確認したいこと

どの形を選ぶ場合も、次の3点を先に決めておくと、後で「思っていたのと違う」となるのを防げます。

  1. 毎日の現場作業が、どのくらいあるか。多いなら常駐が必要です。少なければ代行で足ります。
  2. 方針を決める人が、社内にいるか。いないなら、判断を担える代行か、相応の経験を持つ人の採用が必要です。
  3. 知識を会社に残す仕組みがあるか。誰を選んでも、台帳と手順書を会社の資産として残すことを条件にします。

情シス代行の具体的な内容は、情シス顧問・情シス代行のページにまとめています。

よくある質問

情シス代行に頼むと、今のITベンダーとの契約はどうなりますか?

そのまま継続できます。代行はベンダーの代わりではなく、御社の側に立って、ベンダーの提案や見積もりを確認する役割です。

代行だと、トラブルのときに来てもらえないのではないですか?

基本はオンラインでの対応です。駆けつけが必要な作業は、対応できる業者の選定や、社内で代替機を用意する手順の整備で備えます。地域によっては、訪問に対応できる場合もあります。

将来は社内で採用したいのですが、それでも代行を使う意味はありますか?

あります。採用前に台帳と手順が整っていれば、入社した担当者が「何があるか分からない」状態から始めなくてすみます。採用の要件を整理する段階から相談いただくこともできます。

まとめ

情シス担当の確保には、社内採用、派遣、情シス代行(顧問)の3つの形があります。採用は人に、派遣は稼働時間に、代行は判断と仕組みづくりに費用を払う、という違いで捉えると選びやすくなります。社員100名以下の会社では、まず代行で台帳とルールを整え、現場作業の量が見えてから採用や派遣を検討する順番が現実的です。どの形を選ぶ場合も、知識を会社の資産として文書に残すことを条件にしてください。